債務整理を頼むのは弁護士、司法書士、行政書士の内誰がいいのか

借金を返済することが難しくなり、債務整理せざるを得ない状況に陥ったときに
まずいちばん最初にするべきなのが専門家に相談することです。

専門家に頼らず、個人で債務整理をすることも可能ではありますが、手続きも多く非常に大変です。
債務整理に踏み切る状況というのは、金銭的に追い込まれているため、専門家に依頼するのはお金が勿体無いような気もしますが、専門知識を持った方と共に行うのがベストです。

そうなると、気になるのは「誰に依頼するべきなのか」という点です。

インターネットなどで調べてみると、どの職業でも債務整理が可能という記述があったり、それぞれ費用を調べてみるとバラつきがあったりと悩まされる情報が多く掲載されています。

それぞれの職業はどう違うのでしょうか。

弁護士というのは、刑事・民事問わず法律全般を取り扱うことのできる職業です。
法的な問題の相談を受けたり、訴訟の代理人になったりすることができます。
法律に関わる全ての事例について行動を起こせる職業です。

司法書士というのは、基本的に不動産の登記に関して、依頼を受けて書類作成を行う職業です。
訴訟の代理人になることも可能ですが民事訴訟のみ、90万円以下の訴訟であれば介入することができます。
弁護士に比べて制限がありますが、民事事件であれば対応できる場合があります。

行政書士というのは、官公庁への提出書類を依頼を受けて作成するのが主な業務の職業です。
上記二つの職種と違い、訴訟における代理人になることはできません。

このように、三つの職業はその業務において大きく違っています。

では、債務整理を依頼することが可能なのは一体どの職業の方なのか？

答えは「整理の種類によって変わる」です。

よく行われる債務整理には三種類あり、それぞれ「任意整理」「特定調停」「自己破産」といいます。

任意整理は裁判所とは一切関係なく、依頼されたプロが借り入れ先と交渉し、支払額の減額を行う方法です。
裁判所は関係しないので、全ての職業で請け負うことが可能です。

特定調停は簡易裁判所で支払額を減額する方法です。
裁判所が間に入って行う任意整理というとわかりやすいのではないでしょうか。
この場合は代理人になれない行政書士では請け負うことができず、弁護士か司法書士に依頼する必要があります。

自己破産は債権者の財産状況や支払い能力などを調べた結果、裁判所が「今後の支払いはできない」と判断した場合に適用されます。
裁判所が必ず介入するため、こちらも職種が限られます。

要するに「裁判所が関わるかどうか」がポイントなのです。

いざ、債務整理を行うとなった時に、一番頼りになるのはやはり弁護士です。
法律全般に携わることが可能だというのは安心感があります。

司法書士にお願いする場合は、金額の上限（90万円まで）に気をつけないといけません。
自身がどの程度の金額について整理しようとしているのか、知っておく必要があるため、無料で相談するなどして選びましょう。
任意整理であれば行政書士にお願いすることもできます。
状況に応じて、一番安心できる方にお願いしましょう。