自己破産について

1000万円の借金を抱えていたらどうしますか？何か新しい事業を始めて、ある程度の展望がある人であれば、「頑張ってやる！」と意気込みたくなりますが、完済の可能性も全くない状況であれば自己破産でもして精神的に解放されたくなりますよね。最近頻繁にテレビコマーシャルなどで見かける債務整理の一つに自己破産がありますが、そんな誰でも手続き可能なのでしょうか。

あまりこういった分野に詳しくない人であれば、自己破産というのはまさに、「稼げる金も無きゃ、返す金もありゃしない！」と嘆く様な人がするものと認識していることでしょう。端的に見ればそうなのですが、絶対にそういう訳でもないのが実情です。ではどんな人が自己破産出来るのか。聞き慣れない言葉を使いますが、免責不許可事由に引っかからない人が破産行為が可能になります。免責不許可事由とは、簡単に言うと、正しくないお金の使い方をしてしまうことです。全く返済もせずにキリも無く金融業者から借り入れを続けたり、パチンコや競馬などのギャンブルのためばかりに借金をする様な馬鹿者には、自己破産の適応が難しくなってしまうのです。ヤミ金からの異常額の借り入れなども免責不許可事由に入る可能性が高いです。他にも様々な条件がありますが、一概に「借金額が大きすぎる＝自己破産出来る」とはならないのです。

先ほど述べた免責不許可事由に債務者当人が該当してしまうかどうかは、本人が決めつけることはあまりありません。基本的には、債務整理CMでお馴染みの弁護士がするものです。そのプロですからね。「もう絶対に返せない、、」と困る人は、自己破産のプロセスを始めるあたり、まずは弁護士事務所や法テラスなどで無料相談をしてもらうことが必要になります。そこで初めて債務者本人への対処の方法が、幾つかある債務整理の中から絞られることになります。もし相談の中で、弁護士が「あなたは自己破産しなくて良い。個人再生で大丈夫だ」と言えば、自己破産をせずに他の債務整理をする可能性が高くなります。逆に、「ああこれは破産するしかないですね」となれば、その手続きが始まることになります。とにかく最初に無料相談をしないことには始まりませんね。

最初の無料相談はタダで受け付けてもらえますが、実際的な自己破産などを含む債務整理の手続きには、多くの費用がかかります。弁護士が高給取りなのは周知でしょうが、借金地獄の債務者からもたっぷりと依頼料を頂くことになります。弁護士への依頼料としては、だいたい20～40万円が相場となるでしょう。決して安くないのですが、それまでの何百万何千万の借金地獄から抜け出せると考えれば高くはないかもしれませんね。「一括で返せ！」と破産者に無理なことを弁護士事務所は今ではあまり聞きません。破産後に少しずつ依頼料を返済することが出来る弁護士に頼めれば、依頼する側は気分が少しは楽になるでしょう。

「無理なものは無理」と開き直ることが必要になることもありますが、可能であれば返済不履行はしたくありません。それでも不可能という場合に債務整理が大きく役立つことは間違いありません。誰でも出来る訳ではありませんが、自己破産はあくまでもその一つのルートということは覚えておきましょう。